ヤマダ電機と大塚家具のコラボ店舗を見る
やや時機を失した話題で恐縮だが、ヤマダ電機が大塚家具を子会社化して、コラボ店舗を東京/池袋のヤマダ電機日本総本店のB1Fにオープンさせたという記事を読んで、見に行ったことがある(2月中旬)。
その時は、まだフロアの一部がオープンしただけで、工事中の部分もあったが、両社にとって良い選択だったような気がした。
新聞等の論調は、大塚家具の扱っているプライスラインの家具と、安売りのヤマダ電機では客層が異なるので相乗効果がないというものが多かった。自分もそう思っていたのだか、売場を見て、考え方が変わった。ヤマダ電機は「安売り」であって、「安物売り」ではない。売っているのは家電のブランド商品である。大塚家具の顧客層と重なる部分は多いと思う。
家電の売場が生活提案型の売場に変わったことは、すぐに成果が表れなくても、将来プラスに働くだろう。
その上、この連携は相互に補完する。大塚家具の売場は「買う気」がないと入りにくい。ヤマダ電機の売場は入りやすく、お客にとって心理的負担が少ない。
また、ヤマダ電機の弱点は接客力だ。接客力が弱ければ同社が力を入れている住宅は売れない。これが大塚家具とのイメージを加えることで払拭されるし、従業員間の交流を進めていけば、接客力のアップも可能だろう。(同社の従業員が大塚家具を見下さず、教えを乞う気持ちになればだが。)
ネット通販の進展で、ヤマダ電機は安売りに頼っても優位性は保てなくなる。商品単体でなく生活提案を行い、接客力をアップする。経営者の危機感を感じるが、うまくいくかは従業員の問題意識にかかっているように思う。