靴小売業 大手3社(エービーシー・マート、ジーフット、チヨダ)の2020年2月期決算
靴小売業大手3社の2020年2月期決算(2019年3月~2020年2月)が出揃ったので、単体決算(国内)を比較してみた。
エービーシー・マートは引続き好調だが、ジーフットとチヨダは営業利益段階で赤字である。特にジーフットの営業損失は20億円を超え、店舗の減損損失、繰延税金資産の取崩しもあって、当期損失は45億円となった。売上高も単体決算ではチヨダを僅差で下回っている。
在庫日数を下記算式で比較してみると、エービーシー・マート199日、ジーフット262日、チヨダ186日となり、経理畑がトップに就いて在庫問題に取り組んだチヨダが相対的に健闘している。ジーフットはSC内の店舗が多く、新型コロナウィルスの影響を一番受け易いと言う不運もあるが、経営戦略(ex.PBの大量発注による粗利益率アップ策)にも問題があるように思う。同社の3月の既存店前年比は、まだ公表されていないが、在庫問題も一層厳しさを増すだろう。経営上の最大の課題であることは間違いない。
(在庫日数の算出方法)
期末商品高÷売上原価率÷年間売上高×365日
(4月13日付記)
3月の既存店前年比は、エービーシー・マート △29.9%、ジーフット △38.1%、チヨダ △24.4%だった。4月も更に厳しくなる可能性が強いので、3社の中では、早目に対策に取り組んだチヨダが正解だったと言えよう。