サマンサタバサによるフィットハウスの吸収合併

7月1日付でサマンサタバサがフィットハウスを吸収合併して、フィツトハウスは解散することになった。
フィットハウスが紳士服の㈱コナカの子会社となったのは2008年1月で、本業は順調だが外国為替の取引で経営が悪化したためと聞いた記憶がある。
最近の経営数値は開示資料に載っていて、次のとおりで、売上高、利益共低下傾向にあるものの、多額の純資産があり、経営基盤は安定している。 

             2017/8 期    2018/8 期    2019/8 期
純 資 産      11,141       11,115      11,016
総 資 産      19,920      18,511     16,898
売 上 高      17,206      15,834     14,844
経 常 利 益      888        443       241
当期 純利益 *1     717          84           60
*1 親会社株主に帰属する当期純利益(㈱コナカの保有比率 91.19%)

合併によって、サマンサタバサは、㈱コナカの連結子会社になるので、このスキームは業績が急速に悪化しているサマンサタバサの救済策として、フィットハウスの内部留保を利用すべく考えられたのであろうが、この先のフィットハウスの事業は、どのようになるのだろうか。

フィットハウスは、東海地区を中心にシューズ、バッグ及び服飾雑貨等の販売事業を営んでおりますが、現在の消費者の低価格志向を踏まえ、従来の海外ブランドを中心とした高価格 商品の販売から、「製造小売(SPA)」システムを利用した高粗利の自社商品の開発・販売へビジネスモデルを転換していくことが、今後の成長のための重要な課題となっておりました。 本合併により両社の経営課題を早期に解決するとともに、両社の合併により存続会社となるサマンサタバサが当社の連結子会社となる予定であることから、コナカグループにおけるファッション事業の競争力強化とともに経営資源の最適化・効率化を図ることを目的としております。

㈱コナカ「株式会社フィットハウスとの合併に関するお知らせ」2020年5月1日

自分が見る限り、サマンサタバサの商品開発力が、郊外の大型店主体のフィットハウスの商品開発にそのまま活かせるとは思えない。この先、どのような展開になるのだろうか?