セブンアイのそごう・西武の売却で不思議なこと
セブンアイのそごう・西武の売却報道を見て不思議なのは、各店の店舗損益についての言及がないことだ。
セブンアイのIR資料を見てみたが見つけられなかった。そのため、以下は自分の憶測である。事実と違っていたら謝るしかないがお許し頂きたい。
そごう・西武の会社全体では、2019年度から経常赤字が続いていたが、2022年度には1億円の経常黒字に回復した。但し多額の特別損失があるので、経営の梃入れ・再建計画の立案・実施は待ったなしなのだろう。
一方、店舗別の売上高(繊研新聞・7月28日号)は、西武池袋本店の22年度売上は1768億円で、伊勢丹新宿本店、阪急うめだ本店に次ぐ3位である。これだけの売上がある店舗の損益が赤字なのだろうか? 外野的視点では、そごう・西武は池袋本店、そごう横浜店(1064億円)、そごう千葉店(652億円)は多少の梃入れを行えば、百貨店として十分な利益を出せると思う。
セブンアイの経営陣が進めている西武池袋本店のヨドバシカメラ化は非常に安易な案であり、今までの同店顧客にとっての背信行為である。
また、これを進めれば、そごう・西武全体の存立が揺らぎかねない。
従業員組合がスト権を確立して反対するのも当然である。
新聞報道では、西武池袋本店のヨドバシカメラ化の説明会(豊島区、従業員組合)には、セブンアイの経営陣は参加していないらしい。経営トップ、M&A責任者が説明会で直接説明しない、セブンアイは何時からこのような企業に変わってしまったのだろうか?