靴小売業 大手3社(エービーシー・マート、ジーフット、チヨダ)の中間決算比較

靴小売業大手3社の中間決算(2019年3月~8月期)が出揃ったので、国内部門を比較してみようと、決算短信を何度も見返してみたが、同一基準で比較できる数字を抽出できなかった。本決算であれば、単体の財務諸表を比較すれば良いのだが、中間決算では単体の財務諸表は公表されていないからだ。

仕方なく、次のようにして自分なりの比較表を作成してみた。
① エービーシー・マートは、決算短信末尾の単体経営成績の数値
② ジーフットは決算短信の連結財務諸表の数値
③ チヨダは決算短信の連結財務諸表の数値から、子会社マックハウスの決算短信の数値を控除した数値

この表は自分でも自信がないので、本稿には載せないが、特徴的なことは次のとおり。

① エービーシー・マートの売上高は引続き前年を上回り3月~8月の国内売上高が1,000憶円を超えた。その一方、ジーフットとチヨダは前年を下回り、2社の売上を合わせてもエービーシー・マート1社に及ばない。

② エービーシー・マートの利益は経常利益率21.7%と相変わらず順調である。ジーフットとチヨダは両社とも大幅な収益ダウンとなり、特にジーフットは赤字決算になった。

③ ジーフット、チヨダの収益悪化原因は売上総利益率の低下であり、その基はここ何年かの在庫増加にある。

④ その一方、両社とも経費コントロールには長けており、販管費率は前年微増に留まっている。

在庫問題は、大手3社に共通した課題だが、ジーフット、チヨダにとっては経営の最重要課題になっている。是非、適正な仕入を行いながら、不良在庫を一掃して、速やかに業績回復の目途を立て、靴業界の先行きを明るいものにして欲しい。