アベノマスクと優先順位

毀誉褒貶が激しいアベノマスクの配布が始まった。ここで、その是非について論ずるつもりはないのだが、不良品が多いので一度回収して検品するという記事をみて「?」と思った。
受注先も検品の必要性がないと思った訳ではないと思う。緊急対策として1日も早い配布が最優先という判断から、検品を簡略化したのだろう。今回、政府サイドで、誰がどのように判断したのかはわからないが、全て回収して検品するということは、そもそもこの政策は不要不急だったということなのか、と考えてしまう。

4月25日付の日経新聞に、ユニ・チャームの高原社長(日本衛生材料工業連合会会長)の「(マスクを)政府が一括して買い取り、医療機関や一般消費者へ配給する制度を特例として設けて欲しい。」というインタビュー記事が載っていた。
一方、自宅近くのドラッグストアでは、品不足とされている医療者用の高機能マスクを売っていたそうだ。

政府の政策立案と実行のちぐはぐさが目立つ。政府の司令塔は誰なのだろうか?
私企業ならば、社長がやるしかないし、自分のキャパシティがオーバーするのならば、責任者を決めて権限移譲を行うのだが。

(追記)
4月24日付日経新聞の1面のコラム「春秋」に「製造現場に担当者を送り、つきっきりでチェックして当然」という指摘があるのを見つけた。確かに平時ならばそうだが、旅客機の運航制限、入国制限が課されている今、そのようなことが現実に出来るのだろうか?
関係者はきちんと情報公開した方が良い。今の政府の一番の課題が「情報公開」にあることは間違いないのだから。